武者修行
武者修行中の2人に突撃インタビュー
 リーガ天竜を通じてブラジルに単身渡りフットサルを練習している日本人選手がいる。それも男子ではなく女子の。留学先は今年タッサ・ブラジルで全国制覇を果たした超強豪ジャグアレ/パルメイラス/オザスコ。サンパウロ州オザスコ市で世界最高峰のフットサルを体験している古谷春奈さん(神奈川県出身 現在滞在3ヶ月目)と鎌倉彩さん(東京都出身 4月24日にブラジル到着)の二人に話を聞いてみた。

■ フットサルといえばスペインとブラジルが有名ですが、なぜブラジルを選びましたか?


春奈さん

春奈さん私は神奈川の湘南フットサルクラブでフットサルをやっているのですが、そこの男子チームのゴレイロの人がブラジルに来たことがあって女子も留学できるよ、と聞いていたので。

彩さん私はチーム(GALO☆LADIES)で一度ブラジルに来たことがあったのでそれでまた来ようと思って。

■ 武者修行に踏み切った理由は?

春奈さんやっぱりもっと上手い人とやりたかったし、刺激が欲しかったんです。自分よりはるかに上手い選手たちがたくさんいる中でやりたかった。それは今叶っていますね。あとはブラジル人がどんな練習をしているのかすごい興味がありました。

彩さん私もやっぱりブラジルに来れば上手い選手の中でできると思いました。ブラジルならプロのコーチに教えてもらえるし。前回来たときにブラジルだったら確実に上手い人がいるから勉強になるって思ったし、もちろんブラジルに来たのはフットサルが一番の目的だけど、もともと外国に行くのが好きで、人とコミュニケーションを取るのも好きなのでこの機会に言葉も覚えたいです。

■ 来る前はブラジルにどんなイメージを持っていましたか?

春奈さん情報が少なくて危ないとしか思ってなかったけど、来てみたら全然平気でした。それとブラジル人は朝から晩までボールを蹴っていると思っていましたね。


彩さん

彩さん私も怖いと思っていました。あとはみんなサッカー、フットサルが上手いというイメージでしたね。

■ こっちの食事は気に入っていますか?

春奈さんブラジル料理超美味しいです! ブラジルは甘いものがたくさんあるし、フェジョンとか本当に美味しいです。

彩さん私も特に抵抗はないですね。強いていえばもっと種類が欲しいかな。

■ 寮ではどんな食事が出ますか?

春奈さん朝はパンにバナナとかゴイアバ(グアバ)などの果物が出て、もっと食べたい人は冷蔵庫に残りものがあるので、フェジョンとかご飯をチンして食べています。昼と夜は料理のおばさんが作ってくれるものを食べています。食事はもっと悪いものを想像していたけど、本当に美味しいです。

寮にはリビング、ダイニング、キッチン、そして洗濯機が完備

■ 彩さんはこっちに着いてから何を食べましたか?

彩さんフェジョンに肉にサラダとか、あとグラタンを食べましたね。日本食が恋しくなるかもしれないから日本から一応梅干を持ってきたんですよ。

■ ルームメイトはどんな人たちですか? 年齢層は? 彼女たちと生活していてなにか困ったこととかありますか?

春奈さん寮の子たちは15歳の子が1人、18歳の子が1人、19歳の子が数人、二十歳過ぎが2人ですね。みんな歳下ですね。すごく陽気で優しいですよ。特に困ったこととかはないですね。


こちらはルームメイトと過ごす寝室

■ 実際にブラジルでプレーしてみてどうですか?


練習風景

春奈さんブラジル人はスピードが速いし、パスが強い。フィジカルもすごい。練習内容は日本でもブラジルの練習がかなり入ってきているのでそれほど特別なことはやりませんが、日本で見たことがあるような練習をやってもレベルが全然違う。あとアップをたくさんやりますね。アップの中で腹筋をやったりする。

彩さん私はまだ着いたばかりなのでこのチームとは一回しか練習してないけど、前回来たときにあまりにも格が違うのでびっくりしました。そのときはシマホンとかシャペコといったチームと試合をしたけれど、ボロボロにやられて『なにこの人たち?』って思いました。

■ (滞在3ヶ月目の)春奈さんはすでにジャグアレでもブラジル代表選手との練習も経験していますが代表選手はやっぱり別格ですか?

春奈さんめちゃくちゃうまいです。スピードもボールコントロールも全部すごい。キャプテンのシレーニはパスがすごく正確だし、ジェシカは背が小さいのにドリブルが上手すぎる。とにかく二人とも頭の回転が速くてコート全体が見えている。なんでそんなところにパス出せるのって感じ。それに左右両方蹴れる。ゴレイラのララも代表ですけど、彼女もすごいです。トップの選手は代表じゃなくてもみんなすごい人たちばかりですよ。みんな落ち着いてプレーしていて全然焦ったりしないし、負けている試合でも逆転できるって信じているところがさすがだと思いますね。

ブラジル代表のシレーニ、ジェシカ、ララ(ジャグアレがコリンチャンスだった昨シーズンの写真)

■ 春奈さんはこっちに来てから試合にも出ましたよね?

春奈さん練習試合ですけど、これまでU17の試合に3試合、トップのチームにもボロ勝ちしているときに1試合出させてもらいました。(春奈さんは試合で得点も挙げている)

U17の練習試合に出場した春奈さん サンパウロフットサル連盟でチームメイトと記念撮影

■ ブラジルで学んだこと、もしくはこれから学ぶことで日本のチームに持ち帰って取り入れたいことはありますか?

春奈さんここで覚えたことは全部持って帰りたいです。サインプレーだとか、コーナーキック、キックイン、パワープレイとか。ここでやった練習を日本でもやりたいし、チームのみんなにも教えたい。

彩さんサインプレーですね。ブラジルは同じサインプレーでも先の先の先まで考えている。サインプレーを使うタイミングとかも覚えたいし、それが上手く機能しなかったときの対処とかも。なによりこっちの人のそういう意識(メンタルの部分)を持って帰りたいです。

■ そのためにメモとかも取りますか?

(二人揃って)はい、取ります!

■ 将来は指導者になりたいとか、プロ選手になりたいといった希望はありますか?

春奈さんとくにそういうことは考えていないですね。選手として現役でやれるところまでやってから引退したいです。

彩さん私も特に考えてないですね。ただフットサルが好きだからやっているだけで。


長時間のインタビューにも笑顔で応じてくれた彩さんと春奈さん

(2008年4月26日にインタビュー)


 そうはいいながも二人のフットサルに対する熱意は十分に伝わってきた。二人とも勉強熱心なうえブラジルにいる間できるだけのことを吸収しようと意欲的だ。たとえ職業にならなくても自分の好きなことを納得するまでやる。今の時代彼女たちのように純粋に何かに打ち込んでいる若者は逆に珍しいのかもしれない。ブラジルに来てポルトガル語が分からず、さぞ大変な思いをしているのかと思っていたがそんな心配も無用だった。春奈さんはすでにポルトガル語で普通に会話していたし、彩さんもこれからチームメイトと接しているうちに自然と覚えざるを得なくなるだろう。春奈さんは3ヶ月での帰国予定だったが滞在期間を延長するかどうかを現在検討中。一方の彩さんはこれから半年間ブラジルの大地でフットサルの練習に励む。二人の戦いはまだまだ続く。

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