武者修行
「日本代表に入りたい」=カスカヴェウで武者修行を終えた牧野選手
 9月に来伯しカスカヴェウにて約2ヶ月間の武者修行を終えた牧野勇気選手(東京都出身)が7日、日本に帰国した。関東リーグの強豪カフリンガに籍を置く牧野選手は若干20歳。そんな彼が今回ブラジルで何を見、何を学んだのか。将来が楽しみな若者に帰国前に話を聞いてみた。

■ ブラジルに来ようと思ったきっかけは?


帰国直前の牧野選手。お気に入りの
サッカーチームはパルメイラスとのこと

 サッカーをやっていたので、ブラジルに来るのは小さいときからの夢でした。カズ(三浦和良)に憧れて、本当は中学のときから行きたかったんですけど、親に反対されて・・・。

■ 今回は親に反対されませんでしたか?

 今回はもう20歳だし、自分でお金を貯めて行くならいいって。

■ 来る前に不安とかはありましたか?

 初めての外国なので、緊張したけど、どうにかなるかなって思っていました。言葉は通じないだろうけど、プレーをするだけなら大丈夫だし、昔からずっと外国でやりたかったんで。

■ フットサルを始めたのはいつ頃?

 大学でサッカーをやっていたんですけど辞めて、しばらくサッカーから遠ざかっていたんです。でもまたやりたくなって、1年ぐらい前にサッカーチームだと思って府中アスレティックFCに入ったら、そこがフットサルのチームだったんです。それからちょっとして今のカフリンガにセレクションを受けて入りました。アスレだと練習が多く、そのとき介護の仕事をしていたので両立するのが大変で、カフリンガに移ったんです。

■ 滞在したカスカヴェウはどんな町でしたか?

 田舎で穏やかでのんびりしていましたね。治安は全然良かった。日本人が珍しいのかじろじろ見られたりして面白かった。自分が外国人になるのは初めての体験だったので、外国人になるのもいいなあって思いましたね。なんにも分からないからなんでも吸収できるし。

■ 本場のフットサルのレベルは?

 やっぱりブラジルは環境が違うなと思いました。試合でも練習でも観客がいたりするし、みんなちゃんとフットサルのことを理解している。選手たちはみんな自分が一番だと思ってやっている。なによりONとOFFの切り替えがすごい。普段はふざけてばかりいるような選手でも練習や試合が始まると、目の色が変わるし、そうかと思うと、練習後にシャワーを浴びているときには、すぐにバカなことしてくるし。ビールもよく飲んで、夜遊びもするのに試合に出れば点を決めるところはさすがだなあと思いました。

■ 練習のスケジュールを教えてください。

 基本的に2部練です。午前の練習は10時30分から12時まで。夜は5時から6時半まで。月曜と水曜の午前中はジムで筋トレをします。試合前は遊びのゲーム、例えば2タッチだけとか、1タッチだけとか、そういったゲームをしますね。

■ プロの監督やコーチたちと一緒にやってみて、どうでしたか?

 監督が試合中に指示したことが、そのままの通りになったり、指示通りに点が決まったりするのには驚きました。監督が選手を呼んでアドバイスすると、その選手がいいプレーをして、戦術が機能するということもありました。監督はやっぱり仕事としてやっているから威厳もあるし、説得力がある。フィジカルコーチは、「日本人は走るからいいね」って言っていました。ブラジル人は走るのを嫌がるけど、日本人はよく走るって褒めていました。

■ 空いている時間に自主練なんかはしましたか?

 はい。土日によく走っていました。寮の近くの公園だとか、体育館の横にある陸上コートで、30分ぐらい走り込みをしました。
 練習以外の時間は昼寝をしたり、PSPをやったり、あとはチームメイトとウィニングイレブンをやったりしていました。基本的にブラジル人はみんな昼寝をしますね。

■ 寮での食事はどうでした?

 食事は毎日体育館近くの食堂で食べるんですが、米に肉にフェジョンとか、リゾットみたいなやつが出ましたね。たまにレストランで食べるんですが、レストランのほうが美味しかったかな。

■ 友達はたくさんできました?

 はい。ブラジル人はみんなアミーゴという感じで、選手だけじゃなく、カスカヴェウのファンの人にもよくしてもらいました。なにかと色々な人が声をかけてくれて、家に招待してもらい、何度もご飯を食べさせてもらいました。最後にはメールや住所も交換したし、日本に帰ってもMSNでチャットしようって言われました。

■ 同年代のブラジル人と接してみて、どうでしたか?

 同年代の人たちはフットサルはプロなんですが、考え方は子どもかな。フットサルを引退した後はどうするの? とか聞いても、みんな「なんとかなるよ」みたいな感じであまり先のことを考えていないような気がしましたね。でも結婚している30代の人たちはみんな大人でした。練習でも結婚している選手のチームと独身の選手のチームでゲームをやることがあるんですが、いつもなぜか結婚している選手のチームが勝つんです。

■ 滞在中にW杯が開催されましたが、試合は見ましたか?

 試合はほとんどが午前中だったので練習と重なったりして、全部は見られなかったんですけど、筋トレの時間と重なったときは、ジムでみんなで見ました。日本が負けたときはやっぱり悔しかったです。チームメイトには色々言われましたよ。日本は弱いって馬鹿にされました。決勝のスペイン戦はカスカヴェウのファンの人の家にみんなで集って、ビールとかパンを買って観戦しました。PKのときや試合に勝ったときはみんなもう大喜びで、爆竹鳴したりして大騒ぎでした。面白かったのは、試合中、例えばロシアの選手やイタリアの選手が点を決めても、「あいつはブラジル人だから」とブラジル人は負け惜しみを言うんです。でも実際、外国のチームもブラジル出身の選手ばかりで、やっぱりブラジルはすごいなあって思いました。

■ 滞在中に困ったことは?

 最初の1週間にカゼをひいたり、あとは蚊がたくさんいてかゆくて眠れない日がありました。それに9月は思っていたより寒くて、セーターを持って行かなかったんで大変でした。カスカヴェウは暑くなったり、寒くなったりして、特に雨が降ると寒いんですよ。ほかには日本みたいにコンビニがないので夜遅くになると、店が閉まって物が買えないということがありました。

■ またブラジルに来たいという気持ちはありますか?

 はい、あります。せっかく言葉も覚えたし、友達もできたのでぜひまた来たいです。今回来てみて、みんなもブラジルに来ればいいのにと思いました。ブラジルに来て色々なことを見たり、経験できて、他の外国にも行きたくなりました。ポルトガル、イタリア、ロシアのフットサルも見てみたい。またブラジルに来るときは、居られるだけいたいですね、1年とか。でもお金がかかるのでまずは仕事しないといけないけど。

■ 選手としてのこの先の目標は?

やるからには常に上を目指したいです。できれば日本代表に入りたいです。

- おお! ではこれからも頑張ってください。今日はありがとうございました。 -

(インタビュー:2008年11月7日)

 

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