ブラジルフットサル 現場レポート
【第6回】 世界選手権の敗因をヴァンデルがコメント

ヴァンデル監督
   選手としてブラジルフットサルの発展に大きく貢献したヴァンデル・イアコビーノ。数々のスーパープレイをやってのけた彼を史上最高のプレーヤーの一人に挙げる人も少なくない。現在では監督としてジョインビレで活躍中。そんな彼がシリオのホームページ向けのインタビューに対し、過去2回の世界選手権についてコメントしている。

   2005年に行われたインタビューの模様を当時のままここに紹介する。

Q: さっそくブラジル代表の話をしたいんですが、ここ2大会ブラジルは世界選手権においてスペインに敗れています。準優勝した2000年のときあなたは代表監督でした。そして2004年のときには世界選手権を放映したバンデイランテス局のコメンテーターを務めましたが、2大会を比較するとどういうことがいえますか? なぜブラジルは負けたのでしょうか?

ヴァンデル: 私は比較することは好きじゃない。監督それぞれのスタイルがあるわけだし、負けたのは自分たちが弱かったからだ。負けると人は言い訳を探そうとするけど、実際はスペインがブラジルよりも上だったというだけのこと。

Q:  2000年に代表を率いたあなたは批判を受けるに値すると思いますか? コメンテーターとしてあの頃の自分に批判することはありますか?

ヴァンデル:  いつだって負ければ批判の対象にはなる。だから意味のある批判は、受け入れて成長しようと常々思っている。悪気が込められた批判にはそうしようとは思わないけど。

Q: 同じテーマについてですが、もし2000年の世界選手権に戻れるとしたら、あのときとは違ったことをしますか?

ヴァンデル: 私はそのときそのときを生きているし、自分の考えでは2000年のときに下した決断は、当時のチーム作りを基にしたものだから間違ってはいないと思う。

Q: では2004年のフェレッチ監督は代表チームを構成するうえで何かミスを犯したと思いますか?

ヴァンデル:  さっきも言ったように監督それぞれのやり方があるので彼は彼のやり方でやっただけだ。

Q: アルゼンチンのサッカー選手、ホルヘ・バルダーノはかつて「どんないい選手だって、力を合わせたチームには敵わない」と言っていました。この言葉は2004年の世界選手権のブラジルに当てはまるように思います。ブラジルはファルカンの技術に頼りすぎたと思いませんか?

ヴァンデル: 理想なのは強いチームが一体となることだけど、実際は試合で結果を出すのは選手たちだ。もしブラジルが勝っていたら、きっと戦術は正しかった、何人かの選手のプレーが結果を左右したなんて言われていたと思う。

Q: 2004年の世界選手権でフィニーニョやマノエル・トビアスにチャンスが与えられなかったことは予想していましたか?

ヴァンデル: 予想していなかった。実際彼らは大会にはいたわけだし。選手の起用に関してはフェレッチの考えがあるわけだから、それは彼にしか分からないことだ。

Q:  スペインが2大会連続優勝という形でひとつの時代を締めくくりました。リーガ・エスパニョーラ(スペインリーグ)ではブラジル人が大活躍していますが、スペインからもいい選手が生まれてきています。リーガ・エスパニョーラにおけるブラジル人の活躍がスペイン代表の新戦力の登場を阻止することにつながらなかったと思いますか?

ヴァンデル: スペインが時代を締めくくったとは思っていない。それにあのようないい戦力が次にいつ集まるのかは疑問に思う。

Q: ペセがブラジル監督に推薦されたことについては?

ヴァンデル: 彼はすばらしい監督だと思う。すでにコーチ陣を召集するために前進している。

Q: ペセはスペインのプラジャスにいたとき、世界選抜のようなチームを作りました。チームにはスペイン人のほかに、ブラジル人2人、イタリア人2人いましたが、リーガ・エスパニョーラではいい結果を出せませんでした。なぜ彼の最初の海外進出はうまくいかなかったのでしょうか?

ヴァンデル: スペインに順応することがまず一番の障害だったんだと思う。もし続けていたらブラジルで見せたような彼の実力をスペインでも発揮していたと思う。

Q: ベテラン選手はペセの革新的な戦術を受けいれる準備はできていますか?

ヴァンデル: ペセと仕事をしたことがあるけど、彼のチームに入りたければ、彼のスタイルを受け入れるしかない。

Q: ブラジル代表を改革することは、スペイン代表を改革するより簡単だと思いますか?

ヴァンデル: うん、そう思うよ。ブラジル代表のレニージオ、ファルカン、シミなどの主要選手はまだまだ若いし、代表のためにやることがたくさん残っている。

Q:  イタリア代表にブラジル出身の選手がたくさんいることについてはどうお考えですか?

ヴァンデル: スペインと違ってイタリアは下部組織がしっかりしていない。それは将来的に代表に影響が及ぶ。

Q: アレサンドロ・ヌコリーニ監督が率いたイタリア代表のブラジル出身の選手でブラジル代表としてもやれるチャンスを持っている選手はいますか?

ヴァンデル:  あの当時ではいない。ブラジルにはいい選手が揃っていたからね。

Q: ブラジル人選手がロシア、イタリア、ポルトガル、スペインなどのリーグに流れていますが、その影響でリーガフットサル(ブラジル国内リーグ)のタレント不足に拍車がかかったと思いますか?

ヴァンデル: それは確実だね。

Q: 選手が外国に出て行かないような魔法のような対策は思いつきますか?

ヴァンデル: 今のところない。足りないのは企業がもっとフットサルに投資できるように政府が支援することだと思う。

Q: 今まで見てきた中で誰が一番すばらしい選手だと思いますか?

ヴァンデル:  ジャクソン。最近ではレニージオが好きだね。

Q: 一番すばらしい監督は?

ヴァンデル:  たくさんいい監督がいるから一人だけの名前を出すのはフェアじゃない。パウロ・ムサレム、タコン、ペセ、フェレッチかな。彼らからはいろいろなことを学んだよ。

Q: フットサルを通じて友達になったのは?

ヴァンデル: それもたくさんいるけど、一番印象に残っているのはレニージオだね。

Q: フットサルにおける最高と最低の思い出を教えてください。

ヴァンデル: 最高だったのは1992年の香港世界選手権で優勝したこと。最低だったのはグアテマラの世界選手権。

Q: ブラジルは下部組織を大切に育ててきたと思いますか?

ヴァンデル: 幸運なことにブラジルはサッカーと一緒で選手には恵まれている。これはブラジルの文化だね。

Q:  フットサルで成功するために秘訣はありますか?

ヴァンデル:  フットサルだけじゃなくて人生においても忍耐強くなること、そして自分の夢を信じることだね。

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